義務教育を受けられない子供たち

僕たちは日本という恵まれた国に生まれることができました。

そして僕たちの国には「義務教育」があります。

文部科学省による義務教育とは「国民が共通に身に付けるべき公教育の基礎的部分を、誰もが等しく享受し得るように保証するものである」と謳われています。

日本では小学校から中学校までの9年間、誰もが平等に教育を受けられる環境が整えられており、「義務教育」が当たり前の環境になっています。ではその環境はいつから作られたものなのでしょうか?

日本の義務教育のはじまり

今でこそ当たり前になった日本の義務教育ですが、その始まりをたどると1872年(明治5年)までさかのぼります。この頃といえば1867年(慶応3年)に坂本竜馬などの活躍により「大政奉還」が行われた明治維新の真っただ中です。

そして明治政府により、1872年に「学制」が発布されます。

『あつくちからを小学校にもちうべきこと』と称し、今までの日本にはなかった教育制度を小学校からはじめるというものでした。学制での修業年限は下等小学校が4年、上等小学校が4年の計8年で設定されました。これを分岐型学校制度といいます。

それまでの日本の教育は、裕福な家庭で生まれ育った子供たちは受けることができていました。しかしそれ以外の多くの子供たちは貧困に悩まされ、両親と共に家計を支えるりっぱな働き手であり、教育を受けられる環境ではありませんでした。

明治維新でのさまざまな活動により欧米諸国との交流も深まったことで、諸国で実施されている良き制度を日本にも取り入れていく風潮となり、この「学制」も欧米諸国に倣ったものでした。

その背景には「富国強兵」が強く関わっていました。これから欧米諸国に対抗していくためには経済と軍事の発展が必要不可欠と考えた政府は、国民全員に教育を浸透させていく方針を進めたのでした。

まずは子供たちを学校へ通わせる環境造りというものではありましたが、授業料が発生する仕組みだったため、その授業料をまともに払える家庭が多くなく、日本の義務教育の船出は厳しいものでした。

学制を設けたものの、実情としてはすべての子供が学校へ通い教育を受けられる環境にはほど遠いものだっため、さまざまな取り組みが進められていきました。

そして1886年(明治19年)「小学校令」が発布されます。

この前年1885年には日本初の内閣制度が発足し、そして日本初の内閣総理大臣(伊藤博文)も誕生しています。

日本に内閣制度が誕生したことで日本の教育への取り組みはより力強いものとなり、「小学校令」で初めて義務教育という言葉が使われるようになりました。小学校令をきっかけに校舎や教員、教材などのインフラ整備が行われ義務教育は日本国としての取り組みとし、ますますの改善が図られていきます。

最初の小学校令では義務教育期間を3~4年とされ、尋常小学校と高等小学校に設定されました。

その後、小学校令は何度か改正され、1941年(昭和16年)には「国民学校令」が発布、そして戦後の1947年(昭和22年)に「学校基本法」「学校教育法」が定められ、小学校6年、中学校3年、高校3年、大学4年の単線型学校制度へ転換され、それと同時に小学校と中学校は完全義務教育化されました。

その一方で高校への進学率は1950年(昭和25年)では約53%とまだまだ低い水準でした。

その後の日本は二度のベビーブームが到来し出生数が200万人を超える年もあり、ますます教育の拡大が必要となっていきます。そして日本の経済成長は1973から1990年前半までは安定成長期となり、各家庭で所得が増加したことにより1975年の高校進学率は91.9%へ高まりました。

今を生きる僕たちにとっては当たり前となった義務教育を含めた6・3・3・4制ですが、歴史を振り返ってみるとまだ73年の歴史しかないのです。

世界の教育環境

日本では小学校、中学校が義務教育化され、高校、大学へもほとんどの子供たちが進学できる環境になっています。さらには幼稚園や保育園なども充実しており、義務教育が始まる前から教育を受けられる環境まで整っています。

では世界ではどうなっているのでしょうか?

世界では約1億2400万人の子供たちが教育を受けられていないと言われています。(2017年時点)そのほとんどが発展途上国の子供たちであり、貧困や紛争などを理由に学校へ通うことができていません。

アフリカの教育環境

中でもアフリカに住む子供たちの教育問題はもっとも深刻で、教育を受けられていない子供たちは約半数にあたる6100万人がいると言われています。

日本が教育環境改善に取り組む以前もそうでしたが、多くの発展途上国では両親の所得のみでは生計が成り立たないため、子供たちも家計を支える立派な働き手となっており、また兄弟などの子育ても子供たちが担っています。

そのため学校へ行きたくても通うことができないという負の連鎖が、こうしている現在も続いているのです。

大きな問題としては、まずは「貧困」です。

今の日本では考えられませんが両親が共働きをしていたとしても、住む場所がない、食糧がないという明日をどう生きていくか」と闘っている家庭は世界中にはまだまだ多くあるのです。そのため子供でも働かなければいけない、、学費を払えない、教材を購入できないなどの問題から学校へ通うことができなくなっています。

そしてアフリカでは水道、ガス、電気などのインフラ整備が整っていないエリアがたくさんあります。その中でも「水」は僕たち人間にとって命をつなぐために必要不可欠なものです。豊かな国に生まれた子供たちでは理解出来ないかもしれませんが、アフリカでは今でも子供たちが水を確保するために毎日河へと水くみに行っているのです。

水をくむために毎日何時間も歩き続けますが、運べる量は少ないため確保出来るのはたったの1日分。この労働を子供たちが毎日行うため、学校へ行けるはずもありません。しかし生きていくためには仕方がないのです。

日本では蛇口をひねれば水は簡単にたくさん出てきます。しかも浄水されたきれいな水であり、水道水の品質は日本が世界でナンバー1です。

かたやアフリカでは何時間もかけて水くみを行い、その水はお世辞にもきれいな水だとはいえません。はっきり言ってしまえば泥水です。僕たち日本人ではとうてい飲むこともできないような水です。そして時には水くみの道中で動物たちに襲われ、命を落としてしまう子供さえいるのです。

アフリカの子供たちは家族のため、そして生き抜くために

まさに「命がけ」で水くみを行っているのです。

では、アフリカなどの貧困地域では実際に教育を行っていく環境はどうなっているのでしょうか?

日本では各市町村単位で学区が設けられ、学区ごとに学校が設置されています。そしてその学校ごとに教員が配置され、クラス毎に担任教員も設定されています。

しかし貧困地域では、教育のためのインフラ整備がまったくと言っていいほど追いついていません。義務教育の環境が整備されている豊かな国とは違い、学校を設立する資金もなく、また教員を雇う資金もありません。

例え学校を設立できたとしてもそこで教育を実施してくれる教員数も足りていないため、教育環境の構築が不可能な状況となっています。

ユニセフホームページヘはこちらから↓

https://www.unicef.or.jp/special/17sum/

戦火の中の子供たち

アフリカでは貧困により教育環境の整備ができていないことが問題でしたが、この問題と同じく教育環境が整えられていない地域があります。

それは中東アジアなどで多く発生している紛争に巻き込まれた地域です。

こちらの問題については、みなさんもご存じであるユニセフが近年精力的に力を注ぎ活動されています。

現在の世界では僕たちの知らない地域で20カ国以上の子供たちが紛争に巻き込まれ、教育を受けられていない状況となっています。ある日突然、紛争に巻き込まれ、住まいを失い、そして中には両親を失ってしまい子供たちだけになる家族も数えきれないほど発生しています。

住まいを奪われた子供たちは長い間、避難所生活が強いられ、学校へ通いたくても通えない、日々を生き抜くので精一杯という子供が増えています。

こうした中、ユニセフでは「人生の基礎となる学齢期に教育を受けられず、争いしか知らずに成長することは、子供たちの命と未来にとって極めておおきな代償になる」と言っています。

そして「心と体が育まれる大切な時期に、子供たちにとって必要なものは学校」とし、紛争地域での教育支援を進めています。

ユニセフはなぜ学校が必要なのかを以下の4点をあげています。

  • 紛争地域では両親をなくしたり、家族とはぐれたりして行き場を失った子供たちにとって頼ることのできる数少ない場所のひとつ
  • 子供が病気やケガをした際に、保険知識を持つ教員がいれば病院へ連れて行くことができる
  • 子供たちが学校で学ぶのは読み書きや計算だけではなく、手洗いや病気の予防法など、命を守る衛生や保険知識も身につく
  • 心に傷を抱えた子供たちは、勉強をする、友達と遊ぶなど子供として当たり前の日常を取り戻すことができる

ユニセフホームページへはこちらから↓

https://www.unicef.or.jp/special/16sum/

子供たちのために 僕たちができること

子供たちの教育に関してはこの他にもさまざまな問題がありますが、僕たちが子供たちのために何ができるのか?そして何をしていけばいいのか?

上記に記載した二つの問題で共通している課題は「資金」です。

教育に関するインフラ整備を行うためには莫大な資金が必要となります。ですが、アフリカも紛争中の国々についても教育に回せる資金などありません。その資金を作り出すために僕たちが実践できることと言えば「募金」です。

先に紹介したユニセフをはじめ、今や世界中でいろいろな支援団体、NPO法人などが日々絶え間なく活動しています。

その機関などを通じて募金することで、あなたのその貴重なお心使いが世界の子供たちの救いとなるのです。

そして僕たちが子供たちのためにすぐにできる重要なこととは、

自ら世界の状況を把握し、それを理解した上で子供たちには今なにが必要で、何をしていかなければいけないのかを周りの方々に周知していくことです。

どの状況も今の日本では想像もできない話しのため、浸透させていくには難しい問題ですが、もし自分のお子さんがこのように状況におかれたとしたら?これから生まれてくる子供たちの未来がこのような状況になってしまったら?

他人ごとではなく、自分に置き換えて考えてみれば、おのずと僕たちがやっていかなければいけない答えが導き出されるのではないでしょうか?

そうすることで少しでも子供たちの環境を変えていけるのであれば、地球の未来は今よりも、より良いものになっていきます。

ユニセフホームページへはこちらから↓

https://www.unicef.or.jp

後書き

今でも僕たちの知らない遠い国々では、読み書きができないまま大人になっていく子供たちがたくさんいます。

ほんの73年前まではこの日本でさえそのような教育環境でした。

しかし世界中のみんながこの状況を知っていくことで、必ず支援の輪はどんどん広まっていきます。

そして子供たちに必要なもの、それは「笑顔」です。

教育環境が整えられることで学校で友人ができ共に学び、共に遊ぶ。そして教育を受けることで自分でできることがどんどん増えていき自信が着くことで、必ず笑顔あふれる日々がおとずれます。

僕は子供たちのことをこう考えています。

『世界の宝 = 子供 = 地球の未来』

これからの未来を担っていくのは子供たちであり、その子供たちは地球の宝なのです。

だからこそ今を生きる僕たちが、これからの子供たちのために未来への種をたくさんまいておかなくてはなりません。

僕たちがこの世から去ったあとも僕たちの子供を含めた人類、そして地球はまだまだ続いていくのです。

世界はどこまでも広く続いていますが、みんなひとりではありません。

みんなで手をとりあい 支援の輪を広げていきましょう!

みんなはひとりじゃない
みんなはひとりじゃない
みんなで手をとりあおう

未来は無限大 くわき りょう

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『世界の宝=子供=地球の未来』

僕たちは日本という恵まれた国に生まれ、なに不自由なく生活を送ることが出来ています。しかし世界を見渡すときれいな水が飲めない、読み書きが出来ない、夢を抱けない子供たちがたくさんいます。そしてその子供たちを育んでいく環境にもさまざまな問題が隠れています。この問題は世界中のみなさんが真摯に向き合うことで改善されていくことが多くあります。僕のような無力の人間が一人声を上げてもなにも変えられません。僕にみなさんの力をお貸しください。

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